カラス撃退 熊本市に軍配 実証試験「成功」

白石昌幸
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 熊本市は11日、カラスが警戒したときの鳴き声や強力なLED光の照射で、市中心部に集まるミヤマガラスを追い払う実証試験が成功を収めたと発表した。約3千羽のカラスのほとんどが郊外の山林などにねぐらを移し、問題だった「ふん害」も減少したという。

 実証試験は年末年始を除く昨年12月10日~1月18日の30日間、同市中央区花畑町の花畑公園などで行った。カラスの被害対策に取り組む企業「CrowLab(クロウラボ)」(宇都宮市)が開発した、カラスが警戒したときの鳴き声を加工した音声をカラスの大群がとまった木に向けて拡声器で流した。

 また、花畑町の別のエリアでは、木々にとまって寝る準備をしているカラスに強力なLED光を照射して追い払う試験も行った。

 実証試験を行った佐賀大学農学部の徳田誠准教授によると、年末時点では大きな変化は無かったが、ミヤマガラスに効果があると判断された音声を再合成して1月5日から流し始めると、8日には花畑公園の樹木がねぐらとして利用されなくなった。対策をしていない坪井川沿いの並木からも「カラスが忽然(こつぜん)と姿を消した」(徳田准教授)。

 カラスの集団の飛来ルートを調べたところ、以前は熊本城に集合して花畑公園に移動していたカラスが、市中心部の西側の山林を主なねぐらにし、一部は市北部に移動していた。試験終了後の2月中旬になると、花畑公園周辺に約300羽のカラスが戻ってきているが、昨年末時点よりは少ないという。

 ミヤマガラスは渡り鳥で中国東北部に生息し、越冬のため朝鮮半島を経由して九州に渡る。在来のハシブトガラスやハシボソガラスがねぐらにしていた花畑公園などに合流し、大きな群れを形成していたとみられる。在来のカラスのねぐらを郊外に移動できれば、ミヤマガラスの被害を軽減できると結論づけている。

 市農業支援課は「市民からも『カラスが減った』という反響があり、ここまでの効果があるとは思っていなかった。来年度も継続して対策を取ることを検討したい」と話している。(白石昌幸)