JリーグへFC刈谷「三河ベイ」船出 社長に聞く 愛知

聞き手・松本行弘
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 サッカーの日本フットボールリーグ(JFL)に12シーズンぶりに復帰したFC刈谷は、運営母体がNPO法人から「三河ベイフットボールクラブ株式会社」に変わった。3月14日のJFL開幕を前に、社名に込められた意味などを松崎英巳社長(67)に聞いた。

 ――NPO法人「かえるスポーツクラブ」から株式会社に移行した理由は?

 「Jリーグのクラブ運営を考えると財政的にもNPO法人では限界がある。どこかのタイミングで株式会社に移行する予定でした」

 ――「三河ベイ」という言葉はなじみがないが。

 「三河湾を囲む地域を表した。Jリーグを目指すには広域の支援が必要。これまで、『サッカーの街』として知られる刈谷市を中心に、隣接する安城市知立市、知多地域の大府市東浦町と関わりがあった。三河の碧海地域と、知多地域は市民生活でもつながりがある。知多半島から三河にわたる地域に応援してもらえるクラブに、という決意を社名に込めた。刈谷、西尾、碧南、高浜、安城、知立、幸田、大府、東海、知多、常滑、半田、武豊、東浦、阿久比、美浜、南知多の市町を想定している」

 ――アマチュア最高峰のJFLに昇格し、3年目にJ3、10年以内にJ1への昇格を目標に掲げている。

 「J3へは最短での昇格を目指す。まずJリーグ入会のため百年構想クラブに認定されるのが最短で来年2月ごろ。それを受けてJ3ライセンス取得が早くて来秋の見込み。その上で、JFLで4位以上、百年構想クラブの中で2位以上という成績条件をクリアする必要がある。チームの活動環境や事業展開をさらに整え、行政などの支援を得られるよう働きかけたい」

 ――課題は?

 「大きな課題はスタジアム。ホームのウェーブスタジアム刈谷は芝生席を含めて約5千人収容で、J3はクリアできるが、J2では芝生席はだめで1万人以上の観客席が必要。J1は1万5千席以上。ナイター設備の照度は今のままでは足りない。将来を見据えて改修などの協力を行政にお願いしていきたい」

 ――事業などの構想は?

 「具体的な新しい事業は話せる段階ではないが、サッカーをはじめとするスポーツを通じて、青少年の育成、交流の場作り、地域の発展などへの寄与がビジョン。特に健康増進は目玉にしたい。病院や福祉施設、公民館での健康啓発活動などに関わって、健やかな街づくりに貢献したい」

 ――いよいよ開幕。FCマルヤス岡崎との三河ダービーがJFLである。

 「“先輩”の胸を借りて挑む。4月4日はホームで対戦がある。この地域のサッカーを盛り上げたい。将来、名古屋グランパスとの愛知ダービーで盛り上げられる日を目指す」(聞き手・松本行弘)

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 まつざき・ひでみ 1953年東京都生まれ。日本サッカー協会から1982年にヤマハ発動機に入社し、長くジュビロ磐田の広報や運営などに携わった。2002年日韓ワールドカップでは組織委に出向(静岡ベニューコーディネーター)。フットサルFリーグのアグレミーナ浜松を経て、2019年からNPO法人かえるスポーツクラブ事務局長だった。