無農薬 紀州農レンジャー 緩やかにつながり活動

西江拓矢
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 「農業の未来を守るため」に無農薬で農作物を育てる農家で作るグループ「紀州農レンジャー」。10年前に結成され、現在は、紀北の6農家が活動している。個性豊かな隊員が緩やかにつながり、毎週集まって野菜ボックスを送ったり、ざっくばらんに情報交換したり。動画での情報発信にも力を入れている。

 2月下旬、紀の川市の米市農園。レンジャーの隊員たちがコマツナやサトイモ、かんきつなどを持ち寄った。週に1回集まって季節の野菜を箱詰めし、東京や大阪などに送っている。

 レンジャーは、栽培ノウハウや販路が乏しい新規就農者らをバックアップしたいと、米市農園の高橋洋平さん(35)が10年前に結成。農薬や化学肥料、牛ふんなどの動物性の肥料を使わないことが条件だ。

 隊員の入れ替わりもあったが、活動を続けてきた。現在の代表は、果樹や野菜を栽培する紀の川市の片山篤さん(55)。11年前に脱サラで就農した。無農薬、無化学肥料では栽培の苦労も多いが、自然の力を生かし、環境へ負荷をかけないためにも、「この農業しかない」と取り組んできた。

 隊員はそれぞれ販売ルートがあり、レンジャーでの売り上げはごく一部。それでも同じ志を持った仲間が集うことで、心強さを感じているという。オーストラリアの農園での農業研修の経験もある和歌山市の播本知嗣さん(34)は「いろんなことが聞けてエネルギーになる」。レゲエ音楽好きでそのライフスタイルに共感する橋本市の辻本悠二さん(37)も「こんな集まりはありそうでない。緩やかなところもいい」と話す。

 設立時からの隊員の一人、岩出市の小林元さん(40)は国際NGO「ピースボート」の元スタッフ。「就農しても孤立してやめてしまう人もいる。レンジャーの仲間は、踏み込んだことまで話せるのがいい」

 レンジャーは昨秋、動画投稿サイト「ユーチューブ」を使って情報発信を始めた。動画の編集担当は、かつらぎ町で果樹や野菜を育てる大住清一さん(39)。毎週の集まりの様子や、米市農園の高橋さんの母、雅栄さん(71)のみそ造りなどを投稿している。近く、隊員の農園の様子を撮影して発信する予定だ。

 レンジャーは、新規隊員を募集している。年齢性別は問わない。申し込みは31日まで。面接を経て決定。問い合わせは、片山さん(090・4031・1950)。(西江拓矢)