暗闇の中、長女の死に顔も見られず 指先でなでた骨と皮

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木村司

拡大する写真・図版沖縄戦の体験を中学生に語り終え、花束を受け取った安里要江さん。「お話しできる機会を与えてくださり、感謝申し上げます」と語っていた=2014年、那覇市、木村司撮影

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沖縄戦語り部 安里(あさと)要江(よしえ)さん

2020年11月12日死去(甲状腺がん) 99歳

 私がご自宅でお目にかかったのは93歳を迎えられた春。

 両足に人工関節を入れる手術をへて松葉杖が欠かせない生活だったが、手帳は修学旅行生向けの講話の予定で埋まっていた。

 5月11日愛知の高校、17日奈良の中学、26日兵庫の中学、27日、31日、6月2日……。

 何十年来と毎年頼まれる学校が各地にあった。

 「戦争を体験したものがいなくなる。話せる限り話しておきたい」と口にした。

 沖縄戦で本島中南部を十数人の家族で逃げ惑い、母や夫、3歳の長男ら11人を失った。

 追いつめられた南部の真っ暗闇のガマ(自然洞窟)では、腕の中の8カ月の長女が冷たくなった。

 「死に顔を見届けることもできない。骨と皮だけの体をなでまわし、指先を目の代わりにしていつまでもなで続けました」

 戦後は、生き延びたことに苦…

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