ビヨンセ、スウィフト、BTS グラミー賞のみどころ
米音楽界で最も権威があるグラミー賞。第63回となる今年の授賞式が、15日(日本時間)に開かれ、受賞者が発表される。女性ミュージシャンの活躍が目立った昨年を象徴するような顔ぶれが並び、ビヨンセによるブラック・ライブズ・マターの動きに連動した楽曲など、例年にも増して時代を反映した作品が多い印象だ。韓国の7人組アイドルグループ・BTSの楽曲のノミネートにも注目が集まる。
グラミー賞は1959年に始まった全米レコード芸術科学アカデミー(NARAS)が主催する音楽賞。今年は84部門があり、最優秀アルバム賞、レコード賞、楽曲賞、新人賞が主要4部門となっている。
今回BTSは主要4部門にはノミネートされなかったが、デュオやグループ、コラボレーションという形で功績を残したミュージシャンに授与される「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門」にノミネートされた。韓国の歌手・グループとして初のグラミー受賞に期待がかかる。
昨年8月に「ダイナマイト」が韓国のアーティストとして初めて、米ビルボードのシングルチャートで1位を記録。続く11月に発売したアルバム「ビー」もアルバムチャートで1位を獲得。米音楽界に「K―POP」というジャンルを確立させた。
今回、授賞式でのパフォーマンスも予定していることから、受賞を有力視する向きもある。一方で、音楽家などによって選考されるグラミー賞は、これまで人気よりも音楽やパフォーマンスの芸術性に重きを置いた選考をおこなう傾向があり、バックストリート・ボーイズを始め、アイドル的な人気のあるグループやミュージシャンが受賞を逃し続けたという歴史もある。さらに、非英語圏という高い壁も越え、受賞を勝ち取れるかが焦点となる。
主要4部門の中で、アーティストにとって最高の栄誉とされるアルバム賞は、過去ビートルズ「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」(68年受賞)、サイモン&ガーファンクル「明日に架ける橋」(71年)、U2「ヨシュア・トゥリー」(88年)、エリック・クラプトン「アンプラグド」(93年)といったポピュラー音楽史に残る名盤がその栄誉を受けてきた。
今回エントリーされた8作品の中での注目は、昨年音楽シーンの顔となったテイラー・スウィフトの「フォークロア」。配信リリース直前にSNSのインスタグラムで告知され、突如発表された作品は、アルバム全16曲がチャートインするなど、多くの記録を塗り替えるメガヒットとなった。タイトルは「風習・伝承」の意。アコースティックを基調とした幻想的なサウンドに乗せて、叙情に満ちた詩の世界が広がる。
過去2回、最優秀アルバム賞を受けているテイラー。3度目の受賞となれば、フランク・シナトラ、スティービー・ワンダー、ポール・サイモンに続く史上4人目の快挙となる。
記事後半では、アルバム賞にノミネートされた日本とも縁あるR&Bシンガーやビヨンセの楽曲などをご紹介します。
母方の祖父が日本からの移民…