運動会、自分たちでやっちゃった それから半年の急成長

有料記事新型コロナウイルス

織井優佳
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 コロナ禍でリレーなし、応援団もなし。そんな運動会に不完全燃焼だった鎌倉の小学校の4年生が、独自に「スポフェス」を企画した。失敗と工夫を重ね、今月5日の本番を迎えた子どもたち。フェスを終え、気付いたこととは――。

 神奈川県鎌倉市雪ノ下3丁目の横浜国立大付属鎌倉小学校。運動会は例年、5月に1日かけて行われ、4年生は徒競走やリレーなど4種目程度に出る。

 それが今年度は9月末に午前中だけで開催され、リレーも応援団もなし。4年生(3学級、児童計約100人)は綱引きと徒競走だけだった。

 悔しがる児童に、2組(35人)の担任で体育主任の石黒功教諭(38)が何げなく「自分たちでやっちゃえば」と言うと、みんなすっかりその気になった。

早々に「これじゃダメ」

 「総合学習」の時間に相談を重ね、感染予防にも配慮して徒競走に綱引きに大縄跳び、玉入れやリレーと競技を選び、放送や審判など係を割り振った。しかし2組だけで10月末にやってみると進行がもたつき、午前中で終わるはずが夕方までかかった。応援が誰もいないこともあって、全く盛り上がらなかった。

 「これじゃダメだ」。しょげる児童に石黒さんはプロへの相談を提案。紹介したのは「運動会屋」(本社・東京)。社員の親睦や研修のために企業が行う運動会を支援する企画会社だ。

 無償協力した同社イベント事業部の川原崎泰史さんは、まず「役割分担だけでなく、情報共有と調整が大事」と子どもたちに伝えた。「違う係の仕事はわからない」では進行が滞って当然だった。

 「何のための運動会?」の問いかけを受け、子どもたちの間で「本気で一生懸命」「みんなで仲良く」の狙いが明確になり、両者を融合した「一笑懸命」が4年全体でやるスポフェスのテーマに決まった。

 その後の2組の実行力は「想像を超えた」(石黒教諭)。「全員と仲良く」とクラス対抗に代えて4年全体を赤、青、黄の3チームに再編成。足の速い子は均等に割り振り、みんなが出たい競技に出られるように事前アンケートもした。

「4年生のパワーを知った」

 1月の開催予定が緊急事態宣言で延期となり、がっくり来たのを立て直し、ついに迎えた3月5日は今にも雨が降りそうな曇天。

 でも、子どもたちは躍動した…

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