「自分は負担だと知った」 死後委任サービス広がる事情

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釆沢嘉高
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 自分が死んだ後のことを誰にも頼めない――。そんな悩みを抱く人たちの間で葬儀や家財の処分といった「死後事務」を委任できるサービスが広がっている。身寄りがない高齢者だけでなく、親類や子どもに迷惑をかけたくないとの理由で利用する人も出てきているという。

 埼玉県内の公営団地で独り暮らしをしている60代の男性は一昨年、さいたま市内のNPOと「死後事務」の委任契約を結んだ。行政官庁への死亡届の提出や携帯電話の解約、世話になった病院への献体手続きなど計10項目を依頼。懇意にしてきた人へ財産を贈る遺言書も作り、その通りになったか見届けてもらう。基本手数料約40万円を支払い、必要経費約100万円を預けている。

 男性は大学卒業後、県内の自治体職員になった。仕事に打ち込みつつ、趣味の楽器演奏も楽しんできた人生。結婚はせずに独り暮らしを続けるなかで、「死後」が気になり出したのは40歳ごろからだった。

 それでも、隣県に住む兄家族と関係が良好だったので、漠然と「もしものときは何とかしてくれる」と考えていた。おいにお金を渡すなど、将来を見据えた「愛情」も注いできたと思っていたが、そうした期待は「甘い」と感じるようになった。

 きっかけは5年ほど前に大動…

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