「平成美術」展へのカウンター 権力揺さぶる時代の気分

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田中ゑれ奈
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 美術家・梅津庸一の個展「平成の気分」が京都市の現代美術艸居(そうきょ)で開かれている。自身が主宰する若手美術家の共同体・パープルームとして参加中の「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989―2019」展(京都市京セラ美術館、4月11日まで)への「緩やかな応答」であり、カウンターとも読める展覧会だ。

 絵画作品で知られる梅津にとって、初めて陶芸を中心に据えた個展。テニスラケットやキャンバスの麻布が念頭に置かれた網目状の「花粉濾(こ)し器」などの作品は、最初の展示室では古美術さながら、展示台に陳列されている。

 しかし、ギャラリーの奥へと暗く狭い通路を進んで目の前が開けると、印象は一変する。床一面に海を模した青緑色の養生シートが敷き詰められ、まき散らされた乾燥ワカメや造花のハイビスカス、牛丼チェーンの袋などにまじって陶のオブジェが転がる。台に置かれた作品も脇に落ちている高野豆腐も、ここでは等価の存在だ。室温は29度に保たれ、南の海にいるかのように頭がぼんやりしてくる。

 養生シートの波間には、97…

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