西武生え抜き初の2千安打へ 栗山巧が行き着いた安打論

有料記事

山口史朗
[PR]

 ほとんど見たことのない練習だった。

 西武ライオンズ栗山巧(37)は、何度も何度も自らの足元にたたきつけるような打球を打っていた。ティースタンドに置いた白球を前方ではなく、ほぼ真下に。昨季から始めたというこの練習を春季キャンプでも連日行っていた。

 「そんなに深い意味はないんですけどね」

 そう言いながら、意図を説明してくれた。

 「ボールの芯とバットの芯を当てるイメージを養うため。真下に打つと、芯に当たっているかの判断がしやすいんですよね。『芯』と『芯』で打ち抜けば、スピンさえかかれば、自然と打球は飛んでいく」

カブレラに学ぶ

 独自の練習? どんなきっかけで思いついたのか。そう問うと、栗山は意外な選手の名前を挙げた。

 「昔、カブレラがやってたんですよ。なんのためにやってるんやろって思ってたんですけど、とにかく芯でとらえるという意識づけやったんやと思う。その記憶が僕の中にあった」

 アレックス・カブレラ。2001年に西武に入団し、日本で通算357本塁打を放った。タイプの違う右打者の練習も参考材料として頭に残すあたりが、研究熱心な栗山らしい。

 兵庫・育英高からドラフト4位で入団し、20年目を迎えた。積み上げた安打は1926本。球団生え抜きとして初の2千安打まで74本に迫る。

眠れない日々、考え抜いた末に…

 春季キャンプ中、こんな質問をしてみた。

 イチローさんは自らの安打を「作品」と言ったそうですが、栗山選手は何と表現しますか?

 「えー、なんやろ? そんな…

この記事は有料記事です。残り1104文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら