剣が峰に立つ菅首相 政権発足半年、はがれ落ちた支持

相原亮
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 菅義偉首相が就任してから3月16日で半年を迎える。この間、首相をとりまく世論は大きく変わった。長期政権への基盤が固まるのか、それとも短命に終わるのか。首相はいま剣が峰に立つ。

 菅首相は病気を理由に退陣表明した安倍晋三前首相の後継として昨年9月に就任した。自民党総裁選では、7年8カ月続いた「安倍政権の継承」を掲げ、国会議員票、地方票ともに圧倒的な支持を得た。

 首相は前政権の継続をうたいながら、「既得権益」や「前例主義」の打破を訴えた。世襲議員ではない「たたき上げ」であることも強調。雪深い秋田の農家に生まれ、首相に上り詰めた苦労人のイメージが先行し、朝日新聞の世論調査で発足直後の支持率は65%を記録した。

 だが、その厚い支持は程なくはがれ落ちた。足をすくったのは、首相が自ら「最重要課題」と位置づけた新型コロナウイルス対応だった。感染拡大局面で、専門家の意見に反して肝いりの「Go To トラベル」を継続。国民に自粛を求めながら、自身を含め与党議員が夜間に会食したことも批判を集めた。支持率は急落し、この2月には34%と低迷が続く。

 今後はコロナの感染再拡大への警戒とそれに伴うワクチン接種、コロナ禍の東京五輪パラリンピックの実現など数々の課題が待ち受ける。国会では、自身の長男が関係した総務省の接待問題で追及を受ける。

 そんななかで注目を集めるのが、衆院解散・総選挙のタイミングだ。いまの衆院議員の任期は10月21日まで。その前の9月末には、首相は自民党総裁としての任期満了を迎える。

 4月下旬には衆院補選や参院の再選挙・補選がある。7月初旬には東京都議選も控える。与野党が対決する選挙が続くなか、最大の政治決戦である衆院選がいつ行われるのか。その結果が、政権の行く末を決めることになる。(相原亮)