河村氏の判断で「損した」「得した」 施設巡り議会応酬

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小林圭、関謙次
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 河村たかし市長が2009年から一時凍結したがん治療施設建設をめぐる訴訟について、名古屋市議会で多数会派が15日、「河村氏が市に損害を与えた」と追及した。だが河村氏は、むしろ「1億円得した」と主張し、議論はかみ合わないままだった。

 この問題は、市長1期目だった河村氏が09~10年の約4カ月間、名古屋陽子線治療センター(北区)建設を一時凍結。それによる追加費用3億8200万円の支払いを、施工した日立製作所が市に求めていた。この提訴は16年4月だが、この前にあった裁判外紛争解決手続き(ADR)では、凍結による追加費用として日立が4億8600万円を請求したところ、1億5300万円に減らした和解案が示されていた。

 この日、市議会委員会には河村氏と、当時の副市長で日立との交渉を担った岩城正光(まさてる)弁護士が出席。岩城氏は「ADR和解案は市に非常に有利だった。蹴れば後で大きな損害が出ると何度も市長に言った」と話した。ADRで和解はせず、岩城氏は16年5月に副市長を解任された経緯がある。

 日立は提訴。名古屋地裁が今年2月、市は3億8500万円を支払い、日立はセンターの維持管理業務を8カ月間延長する内容の和解案を提示。市は受け入れる方向で、河村氏の3期目任期満了直前となる今の市議会に諮っている。

 自民、名古屋民主、公明3会派は、ADR和解案との差額で「2億3千万円を損した」と河村氏を追及。対する河村氏は、地裁の和解案で、日立が8カ月間の維持管理費約4億8千万円の請求権放棄を受け入れたとして「市は差し引き1億円の得だ。はるかに市民のためになる。ADRの方が負担が少なかったというのは間違い」と反論した。

 岩城氏らは「違う話を合算させて1億円もうかったとは、論理のすり替えだ」と批判したが、議論は平行線で終わった。(小林圭、関謙次)

市議会での主なやりとり

市議Q ADR(裁判外紛争解…

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