ススキノだけが悪いのか コロナが生んだ「見えない壁」

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天野彩
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 1年前、全国に先駆けて新型コロナウイルスの感染が広がった北海道。昨年10月以降は感染「第3波」に襲われ、今年3月10日には変異ウイルスが道内で初めて確認されるなど、なお警戒が続く。北海道最大の繁華街・ススキノの飲食店はこの間、行政による集中対策の対象となった。道民にはススキノ離れの傾向もみられ、「差別だ」と感じる人もいる。道内のコロナの集中対策期間は3月7日に終了した。「ススキノ関連」の感染者数が激減した今も、以前のようには人出が戻らない。かつては道内一のにぎわいをみせていた夜の街を歩いた。

拡大する写真・図版コロナ禍で「壁が立った」と言われる国道36号。ススキノ交差点から西側には市電が走る=2021年2月26日、札幌市中央区

感染判明のたびに写された看板

 「ススキノ交差点を写して報じられることで、ネガティブな印象を与えるようになった。ことさら報じるのはやめてほしい」

 ススキノの関係者を取材したときに、こんな声を耳にした。ススキノ交差点にあるニッカウヰスキーのネオン看板。札幌の観光名所として全国に知られた存在だが、ススキノの飲食店でのコロナ集団感染の発生が明らかになると、道内のコロナ報道ではこの看板を背に写した写真や映像が頻繁に報じられるようになった。

拡大する写真・図版記者が撮影したススキノ交差点の写真を掲載した朝日新聞道内面。ススキノへの集中対策の延長を報じていた=紙面は2021年1月15日付朝刊

 北海道は昨年2月末、全国に先駆けて独自の緊急事態宣言を出した。「第3波」が押し寄せた昨年10月末には、新型コロナの集中対策期間を始めた。特にススキノで飲食店を中心にクラスター(感染者集団)が発生したことから、11月7日から3週間、スナックやニュークラブ(道外での「キャバクラ」にあたる)の一部など接待を伴う飲食店に対し、夜の営業を午後10時までとする時間短縮を要請した。その後も対象の業態やエリアを変えつつ、より強い休業要請も交え、協力支援金1店舗あたり1日約1万~2万円で2月末まで要請を続けた。

 飲食店に重点を置いたコロナ対策で、ススキノの街はどう変わったのか。ススキノで飲食店ビル13棟を所有・管理する「桂和商事」の社長の武賢樹さん(51)。生まれ育ったこの街が置かれた現状について尋ねると、開口一番に語り始めた。

■「サブロク線」を越えない人…

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