震災翌日に「通れた道」の地図 スピード配信できたわけ
平畑玄洋
東日本大震災の直後、寸断された道のどこが通れたのかを示した地図が、インターネット上で公開された。同じ2011年の秋には紀伊半島が台風に襲われ、その教訓からIoT(モノのインターネット)技術を生かした水位計が開発された。命を守るための情報通信技術は、この10年で進化を続けている。
必要なのは「通れる道」の情報
東日本大震災の翌日午前10時半、ホンダはホームページに、「通れた道路マップ」を公開した。東北の被災地で車が実際に通れた道を、地図上に青く表示する仕組みだ。交通網が各地で寸断される中、通れた道が毛細血管のように青く染まり、4日間で延べ130万人以上が閲覧した。
震災発生から24時間以内に、なぜこんな地図を作れたのか。ホンダは、双方向カーナビシステム「インターナビ」を活用し、システムを搭載した車が走った軌跡のデータを集約したのだ。ツイッターでは「こんな短時間であんな高度なシステムを実装できるとは」という声が上がった。グーグルやヤフーのサイトにも情報を提供した。
実はホンダは、震災の5年前から、インターナビを使った研究を始めていた。一緒に取り組んだのが、防災推進機構理事長の鈴木猛康(たけやす)さん(64)だ。
鈴木さんは、災害時の情報の…
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