日本の満員電車にさよなら? オフピークで変わるか常識

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聞き手・狩野浩平 聞き手・中島鉄郎 聞き手・岸善樹
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 サラリーマンがいる限り、満員電車はなくならない。それが日本の常識だった。この春、時差通勤を促そうと鉄道大手が始める「オフピーク」の時間帯別運賃の試みは、社会を変えるのか。

宇都宮浄人さん「鉄道会社の抱える矛盾あらわに」

 日本では、乗客の多い時間帯と少ない時間帯で鉄道の運賃を変える「ピーク・ロード・プライシング」の議論は「サラリーマンは出勤時間を選べないから、効果がない」と受け入れられないのが常でした。

 ところが、コロナ禍で人々の間に混雑回避の意識が広がり、企業も時差出勤を勧めるようになりました。そんななかでJR東日本や西日本が、IC定期券の利用者向けのポイント還元という形でオフピークの運賃を実質値下げします。将来的には、ピーク時間帯の値上げもしたいという考えで、人々の通勤時間帯を変え、ピークを緩やかにする一定の効果はあると思います。

 目新しい取り組みと思われていますが、航空運賃や旅行料金などでは、すでに一般的です。例えばワシントンの地下鉄などでも行われています。高速道路でも多くの事例があります。

 確かに鉄道会社にとっては、経費削減の意味合いは大きいでしょう。必要な設備や人員はピーク時に合わせなければいけないので、ピークが緩やかになれば、終電繰り上げや減便よりずっと大きな支出削減につながります。

 ただし、ピークの問題を鉄道会社のコストとして捉えるのは、狭すぎる議論です。これを機に、満員電車の上に成り立ってきた日本社会の構造を見直すことこそ必要です。

記事の中盤以降では、枝廣淳子さんが人生100年時代に重ねて、「ピークは40代じゃない」と語ります。また、依田高典さんが企業ブランドを損なう危険性についても論じています。

 満員電車は、右肩上がりだった日本社会の象徴です。人口が増え、都市に人が集まり、地価が上がることで経済全体が底上げされる――。都市の電車の混雑率はピーク時に300%を超え、地方路線で赤字が出ても穴埋めできるほどの収益が出ていました。でも、そんな時代はとっくに終わりました。

 地方の電車はいつも都市のオ…

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