汗が出なくなる無汗症 コロナ禍の自粛生活もリスクに

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今直也

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 気温が高い場所にいたり運動したりして体温が上がっても、体から汗が出ない「無汗症(むかんしょう)」。汗をかく機会が減ることで、発症のリスクが高まる可能性もある。新型コロナウイルスの影響で自粛生活が続き、汗をかかなくなった人も注意が必要という。

ランニング中に異変 コロナ禍で運動機会減り再発

 埼玉県内の男性(49)がランニング中に異変を感じたのは、7年ほど前のことだった。汗がほとんど出なくなった。体の中が熱く、立っていられない。過去にフルマラソンも走り、汗もふつうに出ていた。「何が起こっているか、わからなかった」

 埼玉医科大学病院を受診し、「特発性後天性全身性無汗症(AIGA)」と診断された。汗をかくことができない病気で、入院してステロイドを点滴する治療を受けた。約2年間、定期的に入院し、ステロイド治療を続けた。

 症状が改善し、その後はジムなどで運動を続けていた。しかし昨年、新型コロナの影響で外出を控えるようになり、運動する機会が減った。すると7月ごろ、背中や胸などにじんましんが出るようになった。11月、屋外で庭の手入れをしていたとき、体が火照って動けなくなった。汗が出ていなかった。

 入院し、ステロイド治療を再開。退院後は、激しい運動は控えるようにしている。「不安はあるが、適度に運動は続け、悪化を防ぎたい」と男性は話す。

 AIGAは汗が出ないため、体温調節がうまくいかず、体に熱がたまって熱中症のような状態になる。2015年、指定難病になった。原因ははっきりしていないが、発汗にかかわる交感神経系の機能障害が一因と考えられている。体温が上がると、皮膚の汗腺に汗を出すように脳から指令が出るが、それがうまく伝わっていない可能性がある。

 患者の約4割はチクチクという皮膚の痛みを伴う。「コリン性じんましん」と考えられ、神経の情報伝達を担う「アセチルコリン」という物質が関係している。

 季節の変わり目には、注意が…

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