待ちきれない?自治体のトラベル割、続々 長崎は即完売

新型コロナウイルス

横山輝、小瀬康太朗
[PR]

 国の「Go to トラベル」は新型コロナの影響で停止が続くなか、一部の自治体が宿泊代の割引など観光支援策を再開し始めている。観光業界が疲弊しきっているためだ。自治体は感染再拡大の防止とのバランスに頭を悩ませながら、観光の振興を模索している。

 長崎県は8日、宿泊代を1泊につき5千円補助する事業を開始。6千円分の宿泊券を1千円で購入でき、インターネット申し込みの6万泊分、電話申し込みの1万泊分の計7万泊分を用意していた。

 受け付けが始まると、ネット分は2日目の午前中に売り切れ。電話予約分に注文がなだれ込み、回線を6から10に増やしてもつながらず、県の担当課に苦情電話が相次いだ。追加した1万泊分も2日で完売した。

 キャンペーンは4月29日の終了を予定していたが、1週間で完売した。県の担当者は「コロナ禍が長引く中、県民の旅行需要がこれほどとは読み切れなかった」と話す。

 県が事業を打ち出したのは、交通や飲食、土産と消費の裾野が広い観光業を支援するのがねらい。県によると、2020年の県内の宿泊客数は前年比4割減だった。

 県は事業を始めるに際し、感染状況の広がりを示す県独自の「ステージ」が最低の1に下がるのを待ち、さらに事業の開始発表まで3日間の時間をおき、感染状況を注視したうえで踏み切った。そのうえで、県外の人も対象とした昨夏の類似事業から内容を変更。対象は県民限定にした。担当者は「感染防止と経済支援のバランスが非常に難しいが、今ならアクセルを踏んでいいと判断した」と話した。

 鹿児島県も、鹿児島行きの旅行商品の割引事業を一時停止していたが、今月1日までに地域ごとに段階的に再開。事業の期間は3月末まで延長した。

 九州各県の新規感染者数が減ってきたことなどから鹿児島以外の九州各県の人も対象だ。県の担当者は「Go To トラベル」が止まっていることに触れ「観光業は非常に厳しい状況。少しでも早く回復できるよう支えたい」と話す。

 大分県も16日、県民を対象に県内旅行割引の事業を20日の利用分から始めると発表。広瀬勝貞知事は感染拡大はあってはならないとしつつ「最近は状況が落ち着き、ようやく手が打てるようになった」と説明した。

 一方、緊急事態宣言の対象だった福岡県は、県内の施設への宿泊代を補助する事業について、宣言中も利用中止とはしなかった。宣言の期間中などは利用を控えるように呼びかけるにとどめた。(横山輝、小瀬康太朗)

新型コロナウイルス最新情報

新型コロナウイルス最新情報

最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[記事一覧へ]