「最強生物」クマムシ、雪の上にも 研究者もびっくり

石倉徹也
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 空気のない宇宙空間や強い放射線を浴びても生きられるという「地球最強の生物」クマムシが、雪の上でも活発に生息していることを千葉大のチームが山形県の月山で発見した。クマムシは北極圏の氷河にもいることが確認されているが、日本の雪氷環境で生息が確認されたのは初めて。論文が16日、科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

 クマムシは8本足で歩く体長0・1~1ミリの動物。「乾眠」という休眠状態になると、高温や低温、高圧のほか、強い放射線が飛び交う宇宙空間でも耐えられることが知られている。

 千葉大の竹内望教授らは2018~19年、月山の標高750メートルの雪の表面で、大量のクマムシが活発に動いているのを発見した。雪には緑色の藻類が繁殖しており、クマムシの体内からも藻が確認され、この藻を食べて生息しているらしい。2種類が見つかり、いずれも新種とみられるという。近くの樹木のコケにも別種のクマムシがいたが、こちらは休眠状態だった。

 竹内さんは元々、月山の藻類を研究していた。「顕微鏡を眺めていたら、のそのそと動くクマムシを見つけた。0度近い厳しい環境の中で生息する姿に非常に驚いた」と話す。

 今回の2種は、雪が解けると土の中で休眠し、雪が積もると活動を始めるらしい。「見過ごされていた雪の中での生態系の解明につなげていきたい」と竹内さんは話した。

 論文は以下のサイト(https://doi.org/10.1038/s41598-021-85462-5別ウインドウで開きます)で読むことができる。石倉徹也