質問中、議長が「暫時休憩」宣言 中断された議員は反発

木下広大
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 香川県土庄町の町議会で16日、議員の一般質問中に議長が「休憩」を宣言し、発言を遮る異例の一幕があった。質問を中断された町議は「事前に通告したのに削除もされた」と反発する。一方、議会事務局は問題ない対応としている。

 質問をしたのは立憲民主党鈴木美香町議(58)。鈴木町議や町議会事務局によると、三枝(さえぐさ)邦彦町長が2月、移住や建設などに関わる町議会常任委員会の冒頭のあいさつの中で「町出身の高校生が自衛隊に入り、大変喜ばしい」と述べた。

 鈴木町議は、この発言の意図を16日の一般質問で町長に尋ねるつもりだった。鈴木町議が別の三つの質問をした後、「最後の質問は通告書に載っていませんが、議長の独断で一方的に削除されました。議員の発言権を奪う権限は議長にはないと考え、質問させていただきます」と述べ、自衛隊入隊をめぐる町長発言について質問しようとした。

 すると、浜野良一議長が「鈴木議員」と声をあげたうえで突然、「暫時休憩」を宣言。鈴木町議を伴って議場外に出た。鈴木町議は議場に戻ったが、そのまま質問を終えた。

 鈴木町議によると、3月上旬、議会事務局に質問内容をメールで通告したところ、浜野議長から電話で「町の一般事務に関係ない」として自衛隊入隊に関する質問を取り下げるよう求められたという。応じなかったが、この質問だけが通告書から削除された。

 町議会会議規則は、一般質問について「議員は、町の一般事務について、議長の許可を得て、質問することができる」と定めている。

 浜野議長は議会後、朝日新聞の取材に対し、「あの質問が町の一般事務にどう関わってくるのか見えなかった。通告書にない質問は不規則発言になるので、休憩にした」と話した。議場の外で「通告にない発言はできない」と鈴木町議に説明したという。また、議会事務局は取材に「規則にのっとった対応と考えている」とコメントした。

 一方、鈴木町議は「町長の政治姿勢を問うことがなぜ町政に関係ないのか。議員は言論のための存在のはずだ」と話している。

 自衛隊入隊をめぐる発言について、三枝町長は取材に対し「発言は事実だ。災害も最近多いし、自衛隊に入って被災地で頑張ってくれることは良いことだという意味で話した」と説明している。(木下広大)