17歳への強姦罪、被告に無罪 日や場所「合理的疑い」

大平要、神宮司実玲
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 11年前、当時17歳の女性に性的暴行をしたとして強姦(ごうかん)罪に問われた男性被告に対し、横浜地裁川崎支部は15日、無罪判決(求刑懲役7年)を言い渡した。江見健一裁判長は、女性が被告から長期間、重い性的虐待を受けていたと認め、「苦痛が筆舌に尽くしがたいことは明らか」と指摘した。一方、起訴内容どおりの日や場所で事件が起きたとするには「合理的な疑いが残る」と結論づけた。

 被告は女性の母親と交際していた。女性や母親らが住む川崎市内の住宅で2010年2月13日、女性を「お母さんを悲しませたいのか」などと脅し、無理やり性交したとして起訴された。

 検察側は、女性の供述が被害を明らかにしたときから一貫していると主張。また、女性が被害当日の欄に書いた日記に「痛くて痛くて仕方がない。私何されたの。血が止まらない」などと記載されていたことなどから「被害事実は認定できる」と主張した。

 判決は「(被害者が)被告を社会的に抹殺したいと考えたのは至極当然の感情」で、意識的ではなくても「供述に誤りが含まれる危険性が高まる」と指摘。日記の記述については「別の原因も考えられる」として、性交があったとは断定できないとした。さらに、被告の職場の記録から、犯行があったとされた日、被告が職場にいた可能性が残る、とした。

 横浜地検の安藤浄人次席検事は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントした。(大平要、神宮司実玲)