名画のアート列車、岡山・広島で21日から運行

小沢邦男
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 岡山県総社市広島県福山市を結ぶ第三セクター・井原(いばら)鉄道は、名画をラッピングした「アート列車」(1両編成)を21日から走らせる。大原美術館岡山県倉敷市)所蔵の作品だ。金色に塗装した車両には、災難続きの沿線の活性化を願う思いを込めた。

 額縁をイメージした車両の窓を彩るのは、モネの「睡蓮(すいれん)」やエル・グレコの「受胎告知」など、大原美術館が誇る11作品のフィルム(縦95センチ、横110センチ)。ラッピング岡山県津山市在住の現代美術家・太田三郎さんが手がけた。車内でも網棚の上の広告スペースなどで31作品が楽しめる。

 改装費は昨秋からクラウドファンディングで募った。当初目標とした250万円は5日で達成。最終的に721万円が寄せられ、内装も合わせたフルラッピングが実現したという。

 大原美術館と井原鉄道によるラッピング企画は2019年から検討していた。沿線の倉敷市真備町地区や矢掛町が被災した18年7月の西日本豪雨からの復興を狙ったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて凍結していた。

 コロナ禍の苦境はなお続く。大原美術館は昨年、臨時休館や再開後の入館制限を余儀なくされた。1月からは開館時間の2時間短縮などやりくりが続く。井原鉄道も今年度上半期の運輸収入は1999年の開業以来最低の落ち込みになった。藤本悌弘(やすひろ)社長は16日の内覧会で「名画が列車に乗ってまちに飛び出します」「高架が多く、沿線から見つけやすい。見て、乗って楽しんでほしい」と呼びかけた。

 アート列車は総社―神辺間を1日2往復ほど運行する。問い合わせは井原鉄道(0866・63・2677)。(小沢邦男)