古着ジェット燃料 実用化しないのになぜ?背景に脱炭素

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神田明美
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 古着から作ったジェット燃料で、飛行機が国内の空を飛んだ。古着を原料にすると採算はとれず、実用化の計画はない。それでも飛ばしたのはなぜか。背景には、空でも進む「脱炭素」の流れがあった。

古着の綿を糖化・発酵経て燃料に

 2月4日、日本航空(JAL)の福岡行き定期便が羽田空港を飛び立った。古着の綿を原料にした国産ジェット燃料が、従来の燃料にドラム缶2本分混ぜて使われた。

 綿は成分がセルロースで、糖化や発酵を経てジェット燃料にすることができる。繊維リサイクルのベンチャー企業「日本環境設計」(東京)が、国内29社の店頭などで、4カ月間で約25万着を回収、糖化液をつくった。その後、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)発のベンチャー企業「Green(グリーン) Earth(アース) Institute(インスティテュート)」(GEI、東京)が燃料を生産。この工程で使われたのは、RITEが開発した、コリネ型細菌でアルコールをつくる技術だ。糖をアルコールの一種イソブタノールに変え、蒸留して濃縮した。

 だが「国産」での商業化には課題も見つかった。「古着回収コストが非常にかかった」(日本環境設計)ため、古着を原料にした燃料を商業化する計画はない。GEIの伊原智人代表取締役は「古着が原料では商業化が難しいことがわかった。ジェット燃料の商業化を目指す場合は、代わりの原料として、サトウキビの搾りかすなど農業廃棄物が大量に安く手に入る東南アジアなどに製油所をつくり、今回の技術をいかすことになるだろう」と話す。

 こうした取り組みの背景には…

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