トヨタ春闘様変わり、賃金より経営課題「交渉なのか?」

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千葉卓朗、三浦惇平
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 賃上げを巡って労使が交渉する春闘。だが、トヨタ自動車の2021年の労使交渉で議論の中心になったのは、賃金ではなく、「デジタル化」や「脱炭素」といった経営の課題だった。基本給を底上げするベースアップ(ベア)を重視していたかつての春闘からは様変わりした。労使交渉を春だけに限る必然性も揺らぎ始めている。

ベアの有無も非開示

 17日午前9時、愛知県豊田市のトヨタ本社で始まった労使交渉の最終回。労組の要求に対する豊田章男社長の回答は「要求どおりと致します」と極めて簡潔な表現にとどまった。

 賃上げの妥結額は、非正社員を含めた全組合員1人平均で総額「月9200円」。トヨタ自動車労働組合(組合員約7万人)が2月に示した要求通り。含まれている手当などの内容が異なるため単純比較はできないが、前年の妥結額8600円より600円高い。昨年までは、妥結額にベアが含まれているかどうかを公表していたが、今年から非公表にした。年間一時金(ボーナス)は前年実績より0.5カ月分少ない6.0カ月分で、こちらも要求通りの満額回答だった。

 一方、詳しく語ったのは、「…

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