被災の厚真町役場、震災遺構へ 新庁舎建設後、資料館に

西川祥一
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 北海道厚真町は、2018年9月の北海道胆振東部地震で被災した町役場庁舎について、新庁舎の建設後も震災遺構として残し、歴史資料館に改修する方針だ。庁舎周辺を公園として整備し、地震の犠牲者の慰霊碑をつくって復興のシンボルにする考えだ。

 厚真町は胆振東部地震で大きな被害を受け、町内各地には今なおその爪痕が残る。1953年築で鉄筋コンクリート造の役場庁舎も壁に多くのひびが入った。

 計画では、現在の役場近隣に新庁舎を建て、既存の庁舎は震災被害や教訓を後生に伝える遺構として残し、改修して歴史資料館にする。地震による土砂崩れで壊れた家財道具や農機具の展示、地震の写真、動画、被災者の体験談の紹介を検討している。町内の遺跡から出土している縄文期の土器や数百年前のアイヌ民族の刀や首飾りなども展示する予定だ。

 新庁舎は行政機能を集約するとともに、町民が文化活動できる「市民ホール」を目指す。周辺を公園として整備し、慰霊碑を建立し、この地域を復興のシンボルにする考えだ。町は21年度予算案に、検討委員会の会議費を計上した。有識者による検討委員会をつくり、整備構想を議論。計画を固め、早ければ22年度に着工し、3年程度で完成させたいという。町情報防災グループは「震災の爪痕や教訓を後生に伝えるとともに、町民が集まりにぎわうエリアにしていきたい」としている。

 現在の町庁舎は老朽化が目立ち、震災前に建て替え計画を公表したが、重厚な建築物を残すべきだとの声も寄せられていた。(西川祥一)