LINE、統合直後に問題 ヤフーのデータ戦略に影響か

益田暢子
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 無料通信アプリ「LINE」で、開発を委託した中国企業で個人情報管理の不備が発覚した。LINEはヤフーを傘下にもつZホールディングス(HD)と1日に経営統合したばかり。ヤフーとLINEが持つ膨大なデータを組み合わせたビジネス展開を目指していた矢先だけに「新生」ZHDの経営戦略にも今後、影響を及ぼす可能性がある。

 ZHDやLINEはインターネットを使ったサービスを通じて、検索やアプリ使用の履歴といった利用者のデータを収集。利用者の好みに合わせた「ターゲティング広告」や新事業の開発などに利用されている。米グーグルなどGAFAと呼ばれる巨大IT企業も、世界中の利用者のデータをもとに開発した商品やサービスで急成長した。

 ZHD共同CEO(最高経営責任者)でヤフー社長の川辺健太郎氏は特にデータ活用に熱心とされる。2019年にはヤフーのサイトで集めた個人が特定されない統計データを、外部企業や自治体に提供する新事業を開始。コロナ下で、スマートフォンの位置情報などをもとに主要駅や路線の混雑状況を表示する新サービスも始めた。LINEとの経営統合は「データの会社」(川辺氏)としての基盤を強める狙いもあった。

 ただ、膨大なデータの活用は個人情報の徹底的な管理が大前提だ。川辺氏は1日の会見で、LINEとのデータ連携は「(利用者の)同意取得を前提に、徹底的に分かりやすい説明に努める」と語っていた。今回の問題を受けて個人情報管理に対する懸念が払拭(ふっしょく)できなければ、利用者離れにつながり、ZHDが描くデータビジネスにも影響する可能性がある。(益田暢子)