「刀剣乱舞」聖地の焼け跡は… 足利の山火事、入山解禁

根岸敦生 佐藤善一
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 栃木県足利市は17日、山火事があった両崖山(りょうがいさん)周辺のハイキングコースの入山を解禁した。市職員や観光協会スタッフは4カ所の登り口に立って火の取り扱いの注意を呼びかけるチラシを配った。早朝から規制解除を心待ちにしていた登山者たちが次々に訪れた。

 市観光振興課の小暮勇気さんは「足利市のハイキングコースには年間150万人が訪れる。これまでも山火事注意を呼びかけてきたが、今回のことを機により活発に啓発活動をしていきたい」。1日おきに登っているという市内の男性(72)は「久しぶりに登れるのはうれしい。以前からたばこを吸う人がいた。山火事を機に気をつけたい」と話した。根岸敦生

炭の臭い・真っ黒な立ち木…

 山火事で2月下旬から立ち入り禁止だった足利市の両崖山。解禁初日の朝から、登山者に交じってハイキングコースを歩いた。山歩きを心待ちにしていた人が多いのか、駐車場も車でいっぱいだった。

 足利織姫神社から鏡岩経由で、山頂まで2キロほど。注意深く周辺を見て歩いたが、途中まで山火事の痕跡は見当たらなかった。眼下には、山を取り囲むように市街地が広がっている。コースの半ば辺りから、炭のにおいが漂ってきた。所々、コース脇の地面が黒くなり、焼けた枝が散らばっていた。根元が真っ黒になった立ち木も目立つ。

 山頂に近づくにつれ、黒い焼け跡が増え、炭のにおいも強くなった。多くの登山者が山火事の痕跡を確認しながら、ゆっくり足を進めていた。

 山頂付近にある御岳神社は、オンラインゲーム刀剣乱舞」ファンの「聖地」としても知られ、「焼失した」とインターネット上で惜しむ声が相次いだ。石の小さな神社は無事だったが、両脇の建物は二つとも焼失して跡形もなかった。多くの登山者が、被害の様子をカメラに収めていた。

 足利市赤松台に住む阿部和夫さん(72)は、3日と空けず両崖山を歩くのが習慣だったといい、「想像以上に山中が燃えていた。ヤマツツジ、カタクリが無事か心配。延焼中は煙がすごかった。東京の娘が心配して毎日電話してきた」と話していた。(佐藤善一)