節税保険にホワイトデー・ショック 抜け道に国税庁メス

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柴田秀並
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 「節税」の効果があるとして一部の経営者らに人気だった生命保険について、国税庁が17日、税務ルールの見直し案を生保各社へ示した。逓増定期保険と呼ばれる企業向けの商品で、名義変更をして税を抑える「抜け道」が横行していたが、見直しでふさがれる形となる。その商品を扱う生保は販売減を避けられない。そればかりか、勧誘した代理店などと顧客とでトラブルになる可能性がある。保険会社の責任も問われかねず、業界で「ホワイトデー・ショック」とささやかれ始めた。

 生保業界が課税の抜け道を探せば、国税庁はその道を防ぐ対応をとる。そんないたちごっこがこれまで続き、2019年の2月にも国税庁がルール見直しを打ち出した。当時は「バレンタイン・ショック」と呼ばれ、業界に打撃が出た。定期保険で保険料が全額経費として認められるしくみを逆手にとり、法人税支払いを減らす手法がブームだったが、見直しで封じ込められた。今回はそれに続く「ショック」となる。

 「拡大税制研究会」。生保業界がそう呼ぶ会合が17日夕、オンラインで開かれた。国税担当者による新たな課税ルールの説明会。複数の生保関係者によると、「保険契約の名義変更時の評価の見直し」というタイトルの資料を使い、新ルール案が説明されたという。

 国税庁が問題視したのは、逓増定期保険の契約を法人から個人へ名義変更し、所得税を減らそうとする手法。この保険は法人が加入し、経営者の死亡など万一の事態に備える商品。途中解約すると戻ってくる返戻金が当初数年間は極端に低く設定されており、その期間中に経営者個人へ名義変更して譲渡する。業界では「名義変更プラン」などと呼ばれている。

 このしくみのミソは、保険を譲渡する時の評価額が解約返戻金と同額と解釈されてきたことだ。当初の解約返戻金が数%と低い商品もあり、個人は「割安」に取得できる。その後、一定期間を過ぎると解約返戻金が急増する設計のため、その時に解約して高額のお金を受け取れる。解約返戻金は「一時所得」と呼ばれ、役員賞与などでもらうときより税を抑えられる。

 複数の関係者によると、国税の担当者が示した考えはこうだ。

 「将来多額の解約返戻金を受…

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