第5回「自民党職員じゃないのに…」演説のネタ、集める公務員

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【動画】敵と味方を峻別するーー。それは安倍政権の特徴の一つだった。敵と見なせばためらいなく批判を加える一方、身内への甘さがたびたび指摘された。社会に生まれた溝は深まり、いまも修復されずにいる。プレミアムA 未完の最長政権第2部「友と敵 分断する政治手法」を動画で。
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安倍首相の政権運営を自民党内で批判する数少ない有力者だった石破元幹事長。同じ党であっても、首相側はこの政敵に厳しい視線を送った。振り回されたのは公務員たちだ。

「未完の最長政権」第2部第5回

 首相、安倍晋三の敵か味方か――。安倍政権下の永田町ではそのことが大きな意味を持った。

 2018年春。大使に赴任することになった外務官僚は、旧知の自民党元幹事長、石破茂に転任のあいさつをしようと、議員会館にある石破の事務所に連絡を取った。石破は留守。秘書は「党の会合に出ている。党本部であいさつして欲しい」と告げた。

 外務官僚は迷って、この日のあいさつを取りやめた。理由を周囲にこう漏らした。「党本部で石破さんに会っているところを他の議員に見られるわけにいかない。首相官邸に告げ口される」。18年は安倍の総裁3選がかかる党総裁選がある年。石破は安倍を批判する数少ない党内実力者で、総裁選への立候補を半ば公言していた。

 もちろん、森友学園をめぐる公文書改ざん問題の追及を強めていた野党への接触はより危険だった。この外務官僚はぼやく。「民主党政権時代の大臣ら政務三役にあいさつに行くのは、なおさら大変だ」

 そんな空気の中、公務員にとって「中立」を維持することは難しかった。

プレミアムA「未完の最長政権」 第2部スタート

敵と味方を峻別する――それは安倍政権の特徴の一つだった。敵と見なせば、ためらいなく批判を加える一方、身内への甘さがたびたび指摘された。社会に生まれた溝は深まり、いまも修復されずにいる。

 例えば、内閣情報調査室(内…

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