女性の論文著者、コロナ後に急減 育児・家事の負担偏る

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 新型コロナウイルスの感染拡大は、研究の世界のジェンダー格差も広げている。男性研究者に比べると、女性研究者が発表する論文の割合がコロナ禍前よりも減っていることが、データで示された。休校や外出自粛などにより増えた子育てや家事の負担が、女性研究者に偏っているためだ。

 デンマーク・オーフス大の研究者らは、医学系の雑誌629誌を対象に、2020年1~6月に掲載された米国発の新型コロナ関連の論文1893本と、19年に発表された米国発の全論文8万5373本を比べた。

 うち女性研究者が、研究に最も貢献したとされる「筆頭著者」である割合は前年に比べ14%減っており、とくに感染者が急増した3、4月の減少幅が大きかった(https://doi.org/10.7554/eLife.58807別ウインドウで開きます)。

 論文ごとの女性著者の割合も、前年より5%減っていた。19年の論文では、女性が筆頭著者の割合が38%、論文ごとの女性著者の割合が35%だったことから、もともと女性の論文発表数は男性より少ないというギャップがあった。

 研究チームは「コロナの感染拡大がジェンダー格差を広げた可能性があり、医学研究は大きな課題に直面している」と指摘した。

 経済学の分野でも同じ傾向が出ている。

 英ケンブリッジ大の研究者らは、米国や英国の研究機関に投稿された論文について、15~19年と20年のそれぞれ1~4月分を比べた。

 4カ月間の論文総数は、過去5年の平均は606本だったが、昨年は798本と、新型コロナの経済への影響に関する論文が増えたことがわかる。

 女性著者が占める割合は、いずれも約20%だったが、新型コロナに関する論文に限定すると、12%にとどまった(https://doi.org/10.17863/CAM.57979別ウインドウで開きます)。

 研究チームは「女性研究者は進行中の研究をなんとか続けているものの、新型コロナの世界的流行という新たな研究には、十分に取り組めていない」と指摘する。

 女性はリスクを嫌う傾向があるという研究報告もあり、新しいテーマを研究対象とすることに慎重になっていることも、理由として考えられるという。

 日本でも、コロナ禍における…

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