バッタの大群にドローンが飛び込むと…害虫退治の最前線

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ナニュキ〈ケニア中部〉=遠藤雄司
【動画】ケニア中部でドローンを使ったサバクトビバッタ対策の試験運用が始まっている=遠藤雄司撮影
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 東アフリカを中心に猛威を振るうサバクトビバッタ。旧約聖書にも登場する「世界最古の害虫」への対策に、ドローンやアプリなど新しい技術が次々取り入れられている。2018年にアラビア半島から始まった大発生の終わりが見えない中、その効果は――。ケニアの現場を訪ねた。(ナニュキ〈ケニア中部〉=遠藤雄司)

<サバクトビバッタ> 体長約5~7センチ、体重約2~4グラム。数が増えて密度が高くなると、体色が茶色から黄色などに変化して大群をつくる。群れは風に乗って1日最大で150キロを移動できる。1平方キロ(約4千万匹)の群れは、1日あたり約3万5千人分の食糧を食べる。

人より16倍速く散布

 ブーン。蜂のような音が響いた。

 2月下旬、ケニア中部ナニュキ郊外にある荒れ地。長さ、幅ともに約2メートルのドローンが浮かび上がり、風に乗って飛翔(ひしょう)を始めた無数のサバクトビバッタの中に飛び込むと、その場で、ぴたっと停止。殺虫剤に見立てた水をまき、正確に群れを狙い撃ちした。その様子を見守った地元政府関係者からは、「すごい」と感嘆の声が漏れた。

 使われたドローンは、ケニアで航空サービスを提供するアストラル・エアリアル社のものだ。中国製で、重さは殺虫剤16リットルを積んだ状態でも30キロあまり。バッテリー1台で15分ほど飛行でき、予備バッテリーに付け替えながら1日5~6時間、作業ができるという。

 同社は英国の外務・英連邦・開発省からの資金援助を受けて、昨年からケニアで試験運用を始めている。同社のサバクトビバッタ対策チームでトップを務めるジェフリ・ニャガさん(29)は「試験によってドローンの高さや速さ、噴霧する殺虫剤の量などの最適な値を調べている」と話した。

 サバクトビバッタの対策は、主に各国の政府と国連食糧農業機関(FAO)が取り組んでいる。トラックの荷台に載せたり、人間が背負ったりした噴霧器から殺虫剤を散布する「地上作戦」、ヘリや小型飛行機を使って散布する「空中作戦」の2通りに分かれる。

 ただ、航空機での散布は費用…

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