日銀の金融緩和は「痛み止め」 東短リサーチの加藤出氏

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聞き手・渡辺淳基
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 日本銀行が18~19日の金融政策決定会合で政策の点検結果をまとめる。日銀の政策を長年分析している、東短リサーチ社長兼チーフエコノミストの加藤出氏に注目点を聞いた。

 ――日銀が取り組むべき課題は何ですか。

 「日銀は政府とともに2%の物価目標を掲げ、2013年から異次元の金融緩和を続けてきた。足もとのコアCPI(生鮮食品を除いた消費者物価指数)はマイナス圏だ。日銀自身も先行きの物価について、22年度は今より改善するものの0・7%との見通しを示している。22年度は(23年4月に任期満了になる)黒田東彦総裁の事実上の最終年度。つまり、黒田総裁の任期中に2%を達成できそうにないことを日銀も認めている」

 「一般的に、民間の感覚であれば、目標を設定して8年間、結果が乖離(かいり)している時は、目標設定や戦略は正しかったのかどうか説明を求められる。13年に政府と日銀がまとめた共同声明には、日銀による金融緩和策だけでなく、同時に政府も構造改革や、財政再建を進めると書いてある。ここに立ち戻って政策全体を検証するのが本来の姿だ」

 ――金融緩和がまだ足りないとの見方もあります。

 「黒田総裁が量的質的金融緩和を始めた13年には、当時の130兆円のマネタリーベース(日銀が世の中に供給しているお金の量)を2年で2倍、つまり260兆円にすればインフレ率が上がると説明していた。今は600兆円になっているが、上がっていない」

 「考えるべきなのは、金融政策が、本当に日本経済のためになっているのかという点だ。私は、経済の活力、イノベーションを起こす力をそいでしまっていると思う。超低金利と、それによる財政拡張、さらに円安誘導。これが『三大痛み止めセット』になってしまっている。政権に喜ばれているが、企業の改革や経済の新陳代謝は進まず、企業は低収益でも生き残れてしまう」

 ――日銀は政策点検で政策の…

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