生活苦の学生に「ご飯だよ」 僧侶からお供えのお下がり

新型コロナウイルス

西田理人
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 新型コロナウイルスの影響で収入減などに悩む一人暮らしの大学生の支援に、山形県内の僧侶らが乗り出した。各寺院に寄せられた故人へのお供えから食品の「お下がり」を無償で譲る取り組みで、名付けて「ままけはくらぶ」。「ままけは」は、山形の方言で「ご飯だよ」といった意味だ。

 2月中旬、山形大学小白川キャンパス(山形市)近くにある真宗大谷派の心縁寺(しんねんじ)。その本堂に、インスタント食品などを詰めた紙袋のほか、米や果物の缶詰などがずらりと並んだ。「ちゃんとご飯食べてるかい?」「好きなだけ持って帰っていいよ」。寺を訪れた約40人の学生に、住職の張崎正裕さん(61)らが声をかけた。

 山大工学部で建築を学ぶ2年生の泉田祥汰さん(20)は「こんなにもらっていいんですか」と驚いた様子。近くで一人暮らしをしているが、コロナの感染拡大に伴い、バイト先の飲食店は営業時間を短縮。勤務日数や収入が以前の半分ほどになったという。「家計を切り詰めるためにコーンフレークばかり食べている時もあった。缶詰などは日持ちも良いので、本当に助かります」

学生の孤立、地域が支える

 同派の山形教務所によると、県内では葬儀の際に食品を籠に盛り、周りを造花などで飾った「食品盛籠」を贈る習慣がある。各寺院は、こうしたお供えを「たくさん抱えている」といい、四十九日を過ぎた後に檀家(だんか)らの間で「お下がり」として分け合うなどしてきた。3年前からは、浄土真宗の宗祖・親鸞をしのぶ「報恩講(ほうおんこう)」に合わせてバザーを開き、売り上げを子ども食堂に寄付する取り組みも始めていたという。

 ただ今年度はコロナ禍の影響で、バザーなどが開けない状況に。そんな中、張崎さんは知り合いの大学生から「バイトが減り、生活費を削らざるを得ない」との悩みを聞き、同教務所職員の曽場浩代さん(37)に相談。同派のほかの寺院にも声をかけて、ままけはくらぶを結成した。

 各寺院から心縁寺に届けられた盛籠をバラして麺類、スープなど種類ごとに分類。それぞれ1人分の紙袋に詰めた。各寺院に檀家の農家から寄進された米やリンゴなども集まった。

 張崎さんは「コロナ禍で学生たちの孤立が問題になっている。これからの社会を担う若者が勉強を続けるためにも、今は地域が支えてあげないと」。曽場さんは「困った人のもとに届けることで、食品ロスの防止にもつながる」と話す。

 次回の配布は4月26日に心縁寺で、同28日には鶴岡市の明伝寺でも予定。置賜地域でも日程を調整中という。問い合わせは同教務所(023・633・1339)。(西田理人)

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