イカ不漁→プラモデル店に転身 生き残りかけたひらめき

横山蔵利
[PR]

 イカ釣りで使う発泡スチロール箱を販売する「やなぎや製凾(せいかん)」(青森県八戸市)が、プラモデル店を始めた。同市江陽4丁目に店を開き、工作室や撮影スタジオも設けた。イカの不漁で経営環境が厳しさを増す中、生き残りをかけての挑戦だ。

 同社は1974年ごろに創業し、主にイカ釣り用の箱の卸売りをしてきた。社長の柳谷武宏さん(48)は2代目で、地元の高校を卒業後、家業を継いだ。

 近年はイカ資源が減って経営は厳しく、追い打ちをかけるように新型コロナウイルスの影響で需要も減少。発泡スチロールの箱は、ピーク時に年間約20万個販売していたが、近年は3万個ほど。今後はさらに少なくなると柳谷さんは見ている。

コロナ禍でも衰えないのは…

 プラモデル店を開いたきっかけは、生活のために市内のゲームセンターで始めたアルバイトだった。

 キン肉マン、ドラゴンボール、ガンダムなど、昔好きだったフィギュアやプラモデルに目を輝かせる人の多さに驚いた。柳谷さんは「みんな本当に楽しそうなんですよ」と振り返る。

 そのアルバイト先も、新型コロナの影響で営業時間の短縮など自粛が続き、柳谷さんは昨年春に辞めた。

 所有する倉庫などを活用して新たなビジネスができないかと考えていた時、ひらめいた。経営コンサルタントの助言を得て、コロナ禍でも趣味にかかわるものは好調という点に着目。プラモデルやフィギュアの販売を始めることにした。

 店名は「GEARBOX(ギアボックス)」。やなぎやの「ぎや」と製凾の「凾」の箱をイメージしたという。広さ約100平方メートルの店内に、キャラクター系を中心にプラモデルやフィギュア約500点、塗料も約100色取りそろえている。

 買った商品をその場で作ることができる工作室や、作品を撮影できる照明完備のスタジオもある。工具なども備え、気軽に手ぶらで立ち寄れるよう工夫されている。

 店をオープンした5日、家族連れも多く訪れた。柳谷さんは「親子で物作りをしたり、仕事帰りにプラモデルを作ったり、楽しめる場所を提供したい」と話した。問い合わせは、柳谷さん(090・9037・1387)へ。(横山蔵利)