いじめ繰り返し訴えた、自殺の中1 学校はないと判断

三井新、堀越理菜
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 石川県野々市市の市立中学校でいじめを訴えていた1年生の女子生徒が2月に自殺していた問題で、学校が昨年11月や今年1月に行ったアンケートでこの生徒がいじめを訴える回答をしていたことが市教委への取材でわかった。学校は回答後に本人と面談したが、いじめではないと判断。市教委に報告しなかったという。

 学校は1、2カ月に1回の頻度で、全校生徒にアンケートを実施し、いじめの有無などを確認している。学校がいじめを最初に把握したのは昨年10月のアンケート。生徒自身がいじめを受けていると回答したことがきっかけだったという。

 さらにこの生徒は学校の聞きとり調査に対し、同じ学校の生徒から悪口を言われたり、からかわれたりしたと訴えたという。学校は市教委に状況を報告。解決に向けた対応をし、その後は経過観察としたという。

 昨年11月と今年1月のアンケートでも、2回とも生徒がいじめがあったと回答したため、その都度聞き取りをしたが、最終的に学校はいじめではないと判断。市教委への報告を見送ったという。生徒と学校の間でどのようなやりとりがあったかについて、市教委は「個別案件なので、差し控える」としている。

 その後、学校は2月2日にいじめが解消したと市教委に報告したが、その9日後の11日に生徒は自宅で自殺した。亡くなる前日にもアンケートは行われたが、生徒は「いじめはない」と回答していたという。一連の対応について、市教委は近く設置する第三者委員会で検証に乗り出す。

 一方、生徒が自殺した5日後の2月16日に、学校は1年生を集めた朝礼で校長が生徒の死を伝え、18日までスクールカウンセラーを臨時派遣したという。今月16日にも、校内放送で全生徒に自殺を報告し、16、17日もカウンセラーを派遣して生徒のケアにあたったという。

「先生はもっと敏感に察知してほしい」

 3月にこの学校を卒業した女子生徒は、学校アンケートは自身や周囲でのいじめの有無を確認するものだったと振り返り、「(いじめが)あると書いたら、後で先生に呼ばれて、それが広まって、自分がいじめられるかもしれない。もしいじめを目撃しても、みんな書かないのではないか」と話した。

 娘が同じ中学の1年生だという40代女性は「学校はもう少し何かしてあげられなかったのかなと思う。先生にはいじめなどをもっと敏感に察知してほしい」と話していた。(三井新、堀越理菜)

 石川県警によると、昨年県内で自殺した未成年者は男性2人、女性1人の計3人だった。小中高生などの内訳について県警は、個人の特定につながるおそれがあるとして公表していない。

 また、県内全体の自殺者数は、男性138人、女性48人の計186人(前年比14人増)だった。そのうち、年齢階級別で最も多いのは70歳以上で49人、次いで40代と50代がそれぞれ35人だった。原因・動機別では、「不詳」が最も多く、遺書などから明らかに推定できるとされたものでは「健康問題」や「経済・生活問題」が多かった。いじめを含む「学校問題」は0人だった。(堀越理菜)

子どもの悩みに関する主な相談先

◎24時間子供SOSダイヤル(0120・0・78310)=夜間や休日も含め、いじめやその他のSOSの相談を受け付ける。最寄りの教育委員会の相談機関につながる。

いのちの電話 (0120・783・556)。毎日午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌午前8時。ナビダイヤルは(0570・783・556)。午前10時~午後10時。IP電話からは(03・6634・2556)。

◎こころのほっとチャット

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