バブル景気を走ったタクシー「日本は貧しい国になった」

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聞き手・田中聡子
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 株式市場はバブル期並みの高水準が続いています。一方、コロナ禍で飲食店や観光業の経営は火の車。わかりにくい日本経済の現状をどうみればよいのでしょうか。日本城タクシー(大阪市)の坂本篤紀社長(56)は、タクシー客の動向などから「日本は貧しい国になった」とし、菅義偉政権に「今こそ所得倍増計画を」と訴えています。そのこころは?

入社したての頃、年収800万円「今とほとんど変わらへん」

                 

 ――日経平均株価が最高値をつけた1989年にタクシー業界に入ったそうですね。

写真・図版
東京・銀座でタクシーを待つ行列=1989年12月ごろ撮影

 「あの頃は午後11時すぎたら、道頓堀も、新地もタクシー待ちの客で大行列。裏道に入ってこっそり仮眠を取っていても『乗せて』と起こされたもんです。上から下まで飲み屋が入った『スナックビル』もたくさんあった。酒は家で飲むものじゃなかった」

 「景気がよかったからか、忙しく仕事してる人が多かったなあ……。『電話にでえへんから直接会いに行く』とか、『時間がもったいない』とかいう理由で乗る人が多かった。『ちょっと楽したい』とタクシーに乗る人もたくさんおった。金持ちじゃないフツーの人が日常的にタクシーを使ってたんです。『便利』に金を使う余裕があったんやね」

 ――バブル景気を経験していない私には、まったく想像もできない世界ですね。

 「僕も会社に入ったばかりで、年収800万近く稼いでましたわ。当時は、初乗り500円そこらだったにもかかわらず。タクシー運転手は、稼げる上に時間が自由と言われてて、空いた時間でばくちをする人も多かった。でも、それから30年たって、今は社長してますけど、収入はほとんど変わらへん」

 ――なぜそんなことになった…

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