警視庁で「最も多忙」なレトロ交番閉鎖 築70年で最古

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角詠之 大山稜
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 JR上野駅東京都台東区)の構内にあった「上野駅交番」が19日午前9時すぎ、老朽化のため閉鎖した。築70年超の警視庁最古の交番で、レトロな外観が特徴的だった。戦後の闇市、高度成長期の地方からの集団就職、1972年のパンダの初来日、美術館や博物館での話題の催事――。東京の「北の玄関口」にある交番として多くの歴史を見守ってきたが、この日、役目を終えた。

 交番があったのはJR上野駅の浅草口。1932(昭和7)年にできた駅舎の一部で、詳細は判然としないが、遅くとも75年前の46(同21)年7月から交番として使われてきた。今では東京有数の観光地となっている「アメ横商店街」が、闇市として誕生してまもないころだ。

 そのたたずまいは、街中でよく目にする箱形の交番と違い、下町っぽさや「昭和」を感じさせた。駅舎と一体化した構造、石を削ったように見える外壁、大人1人が通るのがやっとの間口。駅の1日の利用者は平均約18万人(2019年度)で、勤務員は道案内や落とし物の対応、酔客のトラブル対処に追われてきた。警視庁でも最も多忙な交番の一つだった。

 上野観光連盟理事長の二木忠…

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