希望の種がつないだ夢 再生への道歩む高田松原

関田航
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10年がたった復興への歩み。東日本大震災の被災地を写真で伝えます。

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成長する松と「高田松原を守る会」理事長の鈴木善久さん=2021年1月30日、岩手県陸前高田市、関田航撮影

 東日本大震災で「奇跡の一本松」を残して壊滅状態となった岩手県陸前高田市の高田松原。2017年に始まった植樹が今春、終了する。約4万本が松原の再生へ向けて育っている。

 そのうち約1万本の世話をするのが「高田松原を守る会」。理事長の鈴木善久さん(76)は「再生した高田松原で、子どもたちに思い出をいっぱいつくってほしい」と話す。

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昨年末の高田松原の様子。ボランティアや「高田松原を守る会」の役員らが松原の世話をしていた=2020年12月13日、岩手県陸前高田市、関田航撮影

 新しい松原の中には、かつての松原由来の苗も約600本ある。津波に襲われる前、近くの住民がクリスマスの飾りにしようと拾った松ぼっくりが残っていて、震災後、それからとった種が守る会に寄せられた。育て始めたのが早いため、背が高く、鈴木さんの身長をはるかに超えるまでになった。

 06年にできた「高田松原を守る会」。津波によって守るべき松原は流され、当時の会長も犠牲になった。鈴木さんによると、守る会は解散の危機を迎えたが、種が贈られたことが希望となり、存続することになったという。

 「この松たちが震災前のような立派な松林になるのを何とか見届けてえんだ」と鈴木さん。だが、それまでには約50年かかるという。「そこまで生きるのは無理だ。だから千の風になって、空から見に来るんだ」と目を細めた。関田航