「日本は大国らしい外交を」 韓国大統領の元側近に聞く

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聞き手・神谷毅
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 米バイデン政権が発足して初となる外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)が日本と韓国でそれぞれ開かれた。日米韓3カ国の協力の重要性が確認されたものの、悪化した日韓関係を打開する糸口は見つからない。韓国側は現状をどう見ているのか。2月まで韓国大統領統一外交安保特別補佐官を務めた後、有力シンクタンク世宗研究所の理事長に就いた文正仁氏(69)に聞いた。

 ――文在寅(ムンジェイン)大統領は日本側に対話を呼びかけていますが、状況は改善していません。

 「韓国大法院が日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟での日本政府の立場は、韓国政府が日本企業の韓国内資産の現金化に至る前に解決策を示さないかぎり動かないという立場だ。一方的な姿勢は外交といえない。解決策とは協議を通じてつくり出していくものではないか」

 ――韓国は言葉だけで行動が伴っていないとの指摘が日本側にはあります。

 「韓国政府は対話しようとメッセージを送り続けている。朴智元(パクチウォン)国家情報院長が訪日したが、情報機関トップの派遣は異例だ。一方で日本の要人は訪韓していない。日本側は1965年の国交正常化時の約束を韓国が破ったとか、国際法違反だと主張する。請求権については当時から合意の解釈に違いがあり、その違いを双方が認識していたことを忘れてならない」

 ――現在の日本外交をどう評価しますか?

 「最近の日本外交はリーダーシップを十分に発揮できていない。米国に過度に依存し、大国らしい外交ができていないことがもどかしい。私は新型コロナウイルス流行で行き来が難しくなる前は約40年間、毎年数回、日本を訪れた。保守からリベラルまで広く知己がおり、自分では『親日派』だと思っている」

 「かつて大平正芳首相は『環太平洋連帯構想』を唱え、のちのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)につながった。新型コロナウイルスの流行で改めて注目を集める『人間の安全保障』の考え方は1990年代に日本が強調したものだ。いずれも先進的で、日本は国際社会の『アジェンダ・セッティング(議題設定)』の役割を担った」

 ――中国の台頭で米国に頼らざるをえない面もある。韓国も同じでは?

 「現在の米中関係は『冷たい…

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