応援曲はスピーカーから コロナ禍の選抜、感染対策は

浅沼愛、野田枝里子、大坂尚子
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 今回はコロナ禍で初めて開かれる選抜大会になる。大会前のPCR検査で選手ら全員の陰性が確認されたが、感染対策が取られる。

 6年ぶり4回目の出場の東海大菅生(東京)。16日に甲子園入りしたが、人混みを避けるため、これまでの出場の際に使った東京駅ではなく、新横浜駅から新幹線に乗った。新大阪駅からは電車ではなくバスで宿舎へ向かった。

 宿舎では大浴場は使わず、全員がシングルルームを使用。食堂はチーム関係者しか入れないようにしてもらう。栄塁唯(るい)主将は「大会を開いてくれる皆さんに感謝し、対策もしっかりやらなきゃいけない」。

 春夏通じ初の甲子園の東播磨(兵庫)も宿舎は1人1部屋だ。部屋の行き来は原則禁止。選手が顔を合わせるのはミーティングと食事だけ。食堂でも時間差を作り、分散して食べる。

 校内で感染者が出た出場校も複数ある。大阪桐蔭(大阪)では今年に入って校内で感染者が確認され、1カ月近く全体練習ができなかった。西谷浩一監督は「今まで使わなかった神経を使っている。コンディションをここまで考えることはなかった」と話す。

 宿舎も対策を取る。神奈川代表の定宿「大阪ガーデンパレス」(大阪市淀川区)は全フロアに消毒液を置き、定期的にエレベーターなどの消毒作業や施設内の換気をする。全員にシングルルームを提供し、食事も一般客とは別の会場だ。担当者は「選抜に出場する選手の皆さんをお迎えするので一層気を引き締めている」と話す。

 応援風景も違ったものになりそうだ。

 球場の入場者が1万人に制限される。アルプス席は1千人を上限に出場校関係者が応援できるが、大声や合唱、ブラスバンドによる応援は禁止に。事前に録音した応援曲を球場のスピーカーから流す応援を認められ、各校のブラスバンド部は最大10曲収録した。

 その一つ、大阪桐蔭の吹奏楽部は2005年の創部以来、全日本吹奏楽コンクールで金賞を4回受賞した強豪校だ。オリジナルの応援曲「You are スラッガー」を含む10曲を収録した。

 サックス担当の小川ななみさん(2年)は「直接応援に行けなくても選手たちが演奏を聞いて、今までの努力の全てをぶつけられる後押しになれば」と話す。

 甲子園球場は約3600万円をかけて対策工事をした。各入場門6カ所で検温カメラを更新し、送風機30台を新設。アルコール消毒液を増設、トイレやベンチなどに抗菌施工を行った。

 高校スポーツの全国大会では感染者が確認され、影響が出たケースもある。

 昨年12月に東京であったバスケットの全国高校選手権大会では、開幕前に男女3チームに感染者が出て欠場した。期間中も男子3チームが欠場したほか、対戦相手関係者に感染者が出たため棄権したチームもあった。

 今年1月に東京であった全日本バレーボール高校選手権大会では、男子で前回優勝の東山(京都)が期間中に欠場。男子で優勝した東福岡(福岡)や女子の郡山女子大付(福島)でも大会後に感染が確認された。(浅沼愛、野田枝里子、大坂尚子)