「覚醒剤入りの茶、警察官が飲ませた可能性」 無罪判決
大野晴香
覚醒剤を使用したとして覚醒剤取締法違反罪に問われた男性被告(45)に対し、名古屋地裁は19日、「警察官が秘密裏に被告の飲料に覚醒剤を混入させた疑いがある」として、無罪(求刑懲役3年6カ月)を言い渡した。板津正道裁判長は、警察官が勾留中の被告に現金を送ったり、取り調べ中に携帯電話を使わせたりしており、捜査の適正さが疑われると指摘した。
被告は愛知県内またはその周辺で覚醒剤を使用したとして2019年12月に逮捕、起訴された。
判決によると、被告は逮捕後の警察署での取り調べで、紙コップのお茶や水を20~30杯出されて飲み、その後、尿から覚醒剤成分が検出された。
愛知県警の内部規定では、未開封のペットボトルを渡し、容疑者自身に開封させて飲ませなければならない。板津裁判長は、捜査担当の警察官が誰も見ていない状態でお茶などを用意したとし、「異物が混入されなかったことを裏付ける積極的な証拠は見当たらない」と指摘した。
さらに、この警察官が、被告…