リーダー源泉は「二つの個性」 リーチ・マイケルの人生

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野村周平
写真・図版
包容力と突破力。おおらかかと思えば、緻密。ラグビー日本代表で長く主将を務めるリーチ・マイケルのリーダーシップは、一つの言葉で表すのが難しい。所属先の東芝でも、体を張ったプレーと計画を遂行する実行力で、仲間を奮い立たせている=古沢孝樹撮影
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 子どものころ、穴の開いた靴を履き、お古の服をよく着ていた。線路のそばにあった自宅は、列車が通る度にガタゴトと揺れた。

 裕福な家庭ではなかった。けれど、優しい両親に見守られ、豊かな感受性を育んでいった。

 長くラグビー日本代表の主将を務めるリーチ・マイケル(東芝)。彼の包み込むようなリーダーシップの源泉を探っていくと、二つの個性にたどり着く。

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 ニュージーランド(NZ)生まれの父コリンさんは、寡黙で何事にも動じない。フィジー生まれの母イバさんは、陽気でお祭り好き。対照的な2人から生まれたリーチには、楽天的でありながら現実を直視できるといった、いい意味での二面性がある。

 普段はもの静か。「どれだけ人気者になっても、電車に乗れないような存在になったらダメ」。自分を大きく見せようとしない謙虚さは、父親の生き様と重なる。だが、母親の影響を受けなかったわけではない。

 リーチは言う。「お母さんの実家は貧しかった。8人きょうだいの4番目。下の子たちを学校に行かせたいから自分は小学校までしか行っていない」。リーチが小さい頃、イバさんは洋服や雑貨をよく故郷まで送っていたという。「俺たちの分まで送って、お父さんがすごく怒った」。それでも、イバさんは仕送りをやめなかった。

 約40年前にフィジーでコリンさんと出会ったイバさんはその半年後、NZ・クライストチャーチで生活を始めた。ラグビーが盛んな当地では今でこそフィジーをルーツに持つ家庭が多くあるが、「俺たちが小さい時、フィジーの家族は3軒だけだった」とリーチ。

 自分がマイノリティー(少数…

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