英乃海が伸ばす白星 兄弟同時幕内、研究熱心な兄の意地

藤木健
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 (19日、大相撲春場所6日目)

 史上9例目で、令和では初の兄弟同時幕内となった英乃海と翔猿。前日に続いて、ともに白星を挙げた。

 兄の面目躍如といったところか。返り入幕の英乃海が4勝2敗と星を伸ばす。

 過去6場所の幕内で、まだ勝ち越しがない。でも、「今場所は楽しめている。以前は勝ちにこだわり過ぎていたけど」。じっくり、力強く。持ち味を出そうという姿勢が吉と出ている。

 研究熱心さも、好調を支える。「初顔合わせじゃなくても、(相手の)初日からの取組は見る」。この日の豊山に対しても、狙いがあった。「右からのはたきやいなしで崩れている場面が多かった」。立ち合いで当たった直後、そのいなし。もくろみ通りに体勢を崩した相手の横について、送り倒した。

 3歳下の実弟が翔猿だ。部屋も違えば、小兵で機敏な弟とは取り口も違う。「兄弟と、記者にしか言われない。他の人は気付いていないのかも」。自らが幕内に定着できぬ間に、翔猿は台頭著しく昨年秋場所で優勝争いを演じた。「自分が兄なので、番付は上の方がいいんだけど」。今も前頭8枚目の弟に対し、自身は15枚目で背中を追う。

 17場所ぶりに幕内へ返り咲き、史上9例目の兄弟同時幕内をかなえた。5日目に続く兄弟白星で、勝敗も並ぶ。ただ、翔猿が「特に意識はしていない」といえば、英乃海も「元々、たまに会えば話すくらい」と互いに素っ気ない。周囲の視線をよそに、31歳の兄は言った。「年取って、自分は心の余裕が出てきているから」。なれ合わず、力まず、マイペースを貫く。藤木健