香川大、非常勤講師約400人が委託契約 雇い止めも

木下広大
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 香川大(本部・高松市)が非常勤講師約400人と、個人事業主として業務委託契約を結んでいることが19日、大学への取材などで分かった。一部の非常勤講師側は「国が定める業務内容を超えている講師もいる」と主張し、直接雇用への切り替えを求めている。

 文部科学省は2006年の会議資料で、外部講師に授業を委託する場合、「授業を行う教員の補助的な業務に限定される可能性が高い」としている。具体例に、授業を進行する専任教員のもとでの「英語の授業のコミュニケーション部分」や「実験の授業の機器操作・説明」の担当を挙げる。授業計画の策定や学生の評価は大学の専任教員がするとも記している。

 一方、香川大によると、非常勤講師が授業内容を作成し、試験の採点をすることがある。一学期分の授業15回すべてを担当している非常勤講師もいるという。

 大学側は朝日新聞の取材に対し「非常勤講師には、契約前にこちらの方針に沿う授業内容を決めてもらい、成績評価は最終的には大学が行っている。問題はない」と説明する。業務委託での契約については「審査に時間がかかる直接雇用より、優秀な人材を早く確保できる」としている。

 これに対し、香川大で10年近く授業をしてきたという非常勤講師の男性は「授業を一人でやってきたのに今年度で雇い止めになったと知らされた」と訴える。

 男性が加盟する関西圏大学非常勤講師組合を通して大学側と協議しているが、直接の雇用関係がないため、交渉が難しいという。

 組合の江尻彰書記長は「授業の一部を任せるなら問題ないが、授業を全く丸投げしている。それならば直接雇用にすべきだ」と指摘している。

 香川大の対応について、文部科学省は取材に「個別の労働問題については司法の判断に任せる」と答えている。(木下広大)