胃がんの母と布団並べて 「いまわの際」の時間を共有

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それぞれの最終楽章・読者から(2)

宮本修一さん(愛知県稲沢市・73歳)

 母和子は富山県で長く小学校の教員を務め、1975年に同居を始めました。私の2人の子どもの子守のほか、小さな畑で野菜作りに励み、編み物、詩吟、書道、短歌などを楽しんでいました。

 少し血圧が高く降圧剤をのんでいたのと、白内障で目薬をさしていたほかは至って元気で、介護の認定は亡くなるまで「要支援1」でした。ところが亡くなる前年の5月の大型連休に「昨日から胃がむかむかする」と、緊急の胃の内視鏡検査を受けました。

 写真を見ると胃の中は真っ黒で、潰瘍(かいよう)が全体に広がっている状態でした。医師は「悪性かも」とつぶやき、数日後に出た確定診断は「進行性の胃がん」でした。医師に手術を勧められましたが、がんは摘出できても体が手術に耐えられるか危惧されましたし、何より母は気が小さく体にメスを入れると考えただけで震え上がってしまうだろうと、妻と相談し、手術を見送りました。母や周囲には「胃潰瘍だった」と告げ、亡くなるまで私たち夫婦以外は胃がんと知りませんでした。

 潰瘍を抑えるため3週間入院…

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