秋はメンバー外の男が流れ変えた 鳥取城北が選抜初勝利

宮城奈々
[PR]

 大会第2日の20日、鳥取城北は、三島南(静岡)との初戦に臨み、6―2で勝利をつかんだ。同校初となる選抜大会の勝利で、鳥取県勢が初戦突破するのは2008年の八頭以来13年ぶり。

 「しのぎ合いのゲームだった」。山木博之監督は試合をこう振り返った。

 先制したのは三島南だった。鳥取城北はエースナンバーを背負う右腕の広田周佑君(新3年)がマウンドへ。「立ち上がりは甲子園の雰囲気に緊張していた。ちょっと浮足立ってしまった」。二回裏、先頭打者に右方向への安打を許すと、犠打と暴投で1死三塁のピンチに。続く打者の犠飛で先取点を奪われた。

 流れが変わったのは五回。1点を追う鳥取城北は広田君、松田龍太君(同)の連打で1死一、二塁の好機を作った。続いて打席に立ったのは二塁手の中木村連次郎君(同)。中木村君は昨秋、メンバーを外れ、県大会と中国大会をスタンドから見守っていた。「秋に入れなくてすごく悔しい思いをした。任されたからにはチームにチャンスを作らないと」。初球をとらえると、うまく転がり内野安打に。悪送球も誘い、一挙2点を奪う一打となった。山木監督は「100点のプレーをしてくれた」とたたえた。

 打線の援護を受け、苦しい投球が続いた広田君も奮起した。六回、三島南に1点を奪われ、1点差に詰め寄られてなおも1死二、三塁のピンチに。しかし、最後は高めのまっすぐで三振に仕留め、ピンチを切り抜けた。広田君は「自信をもって『絶対抑えてやる』という気持ちで投げられた」と振り返った。

 九回には、松田君、中木村君の連打などでだめ押しの3点を追加。最後まで粘り強いプレーで悲願の初勝利をつかんだ。畑中未来翔(みくと)主将(同)は「ずっと『まず1勝』というのを目標にやってきた」と喜びをかみしめた。次は大会第7日の第1試合(25日午前9時開始予定)で東海大相模(神奈川)との2回戦に臨む。畑中主将は「どんな展開になったとしても1点にこだわってやっていく」と気を引き締めた。(宮城奈々)