「自治体の貯金」取り崩す? コロナ禍で分かれる判断

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 コロナ禍という経験のない事態への対処に必要な資金をどう賄うか。東京都内の各自治体は昨春以降、非常時に頼れる財源として、「自治体の貯金」である財政調整基金(財調)を様々な形で使ってきた。だが、その姿勢には23区でも大きな差があるようだ。

「今が使い時」江戸川区

 コロナ禍で区税収入の減少が見込まれ、減額予算を組む自治体もある中、江戸川区は412億円ある財調から125億円を取り崩し、過去最大の新年度予算をまとめた。一般会計と特別会計を合わせた総額は、初めて4千億円を超えた。

 2008年のリーマン・ショック後、計400億円の財源不足に陥った。「行政としてやるべきことができなかった」と話すのは、当時財政課長だった斉藤猛区長だ。「再びリーマン級の財政難に陥った時のために、400億円を目標に財調を蓄えてきた。今回のコロナ禍のために積んできたようなもの。今が使い時だと思う」と話す。

 前年度比8・7%減と、23区で2番目の区税収入の減収率を見込むが、財調活用で積極予算を組み、行政サービス維持に万全を期す。消耗品や印刷などの区内事業者への発注も増やし、区経済の下支えも図るという。

 荒川区も同様の考えで、新年度予算で財調を50億円超、約44%取り崩す。結果、21年度末の残高見込みは区民1人あたり換算で23区ワースト2位に。坂本俊介・財政課長は「来年度も同規模を取り崩せばゼロになる。危ないとは思っている」と話す。

「今、どーんと使うのは...」中央区

 「今、どーんと財調を使うのはどうか。コロナ後を見据えて備える必要がある」。中央区の財政担当者はこう話す。経験のない事態だからこそ財調は慎重に使うべき、との立場だ。

 コロナの影響などで歳入が減り、一般会計予算は前年度比10・9%減で3年ぶりの減額に。コロナ対策として、事業者向け融資などの事業を実施するが、「通常の歳入の中で必要なことはやるという考え。コロナの影響が長引いた時、通常の行政サービスに影響が出るのは避けたい」という。

 中野区も過去の財政難の経験から、少なくとも150億円の財調を確保する考えを持つ。新年度予算ではコロナ下の区民生活の支援のため、財調から約49億円を繰り入れたが、担当者は「事業見直しなどで歳出抑制を図り、真に必要な区民サービスに財源を投入した」と慎重姿勢だ。

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