帽子に書いた文字、「自信」→「仲間」に 宮崎商エース
(20日、選抜高校野球 天理7―1宮崎商)
宮崎商のエース日高大空(そら)投手(3年)は、天理の好投手、達孝太投手(3年)との投げ合いを楽しんだ。七回までに9奪三振。七回までを比べると、達投手の8奪三振を上まわる成績だ。
守備から攻撃のリズムをつくる宮商野球の要。伸びのある直球とチェンジアップなどの多彩な変化球が持ち味で、昨秋の県大会、九州大会では相手の打線を抑えた。九州大会までの帽子のつばには「自信」の文字。試合でピンチになった時、これを見て自分に言い聞かせた。「一球ずつ丁寧に、自信を持って投げる」
言葉を贈ったのは、1学年上の中山隼吾前主将。日高投手が時折見せる自信なさそうな表情が気になり、昨夏の大会後、「自信を持て」と声を掛けた。
新チーム始動後は、制球力と球の切れを磨くため、腕や指の力の強化に励んだ。九州大会では全3試合で先発。低めに集めて打たせて取る投球で選抜大会出場に貢献した。
選抜大会への出発前、18人の選手らに背番号の入った真新しいユニホームが手渡された。日高投手は新しい帽子のつばに「仲間」の文字を書き入れた。厳しい練習を互いに積んだ仲間たちと甲子園で戦う決意を込めた。
天理戦の一回。三者凡退に抑えて好スタート。二回、天理の機動力と長短打で2失点。しかし、気持ちを切り替え、三回から六回まではインコースを丁寧につく投球で、三振や凡打の山を築いた。七回は2死から、守備の乱れも加わり、4失点。八回から長友稜太投手(2年)にマウンドを譲った。
試合には敗れたが、橋口光朗監督は日高投手について「上出来。堂々と投げていた」とねぎらった。日高投手は「目標の球速は140キロ。夏に向けて下半身を含めて筋力を強化し、また仲間と甲子園に来たい」と目を輝かせた。(菊地洋行)
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