高校演劇が人生を変えた 被災地・福島を救った「魔法」

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井上秀樹
写真・図版
いわき総合高校演劇部「ちいさなセカイ」から=2015年、斎藤夏菜子さん提供
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 東日本大震災をきっかけに、演劇が人生を変えた教師や生徒たちがいる。これは、福島の被災地で生まれた物語だ。

 「後任を探している。あなたにやってほしい」

 震災から1年経った2012年4月。英語教師の斎藤夏菜子(かなこ)さん(40)は、福島県いわき市の県立いわき総合高校に着任した。校長から早々に切り出され、演劇と出会った。

 福島県会津若松市の出身。東京の大学を卒業し、常勤講師を経て正規採用され、県立福島高校に赴任した。震災のときは福島の内陸部におり、津波や東京電力福島第一原発事故の被災地の実態は詳しく分からなかった。

 いわき総合高校では、総合学科の芸術・表現系列で演劇の授業を受けることができる。斎藤さんには演劇経験はなかったが、校長から演劇の授業を求められると「人生、ちょっと寄り道してもいいかも」と引き受けた。先輩教師の指導を受けながら演劇を教えることになった。

 生徒と一緒に、いちから演劇…

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