喪失と向き合う 映画「漂流ポスト」 渋谷で上映

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渡辺洋介
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 東日本大震災で犠牲になった人への宛てどころのない手紙が届く「漂流ポスト」。岩手県陸前高田市に立つポストを題材にした映画が、東京都渋谷区のアップリンク渋谷で上映されている。国際映画祭で高い評価を受け、震災10年にあわせて上映が決まった。薄れゆく記憶や喪失の痛みと向き合い、あの日を忘れないというメッセージが込められている。

 漂流ポストは、震災で約1800人の犠牲者が出た陸前高田市のカフェ「森の小舎(こや)」に立つ。店主の赤川勇治さん(71)が2014年3月、大切な人を失った悲しみを受け止める場所を作りたいと始めた。これまでに全国から500通を超える手紙が届けられている。

 映画は震災で親友を亡くした主人公がある日、タイムカプセルに入った互い宛ての手紙を見つけ、漂流ポストにたどり着き、喪失と向き合う物語。横浜市の映画監督、清水健斗さん(37)が岩手に通い、30分の短編映画として完成させた。国内外の映画祭に出品され、ニース国際映画祭では最優秀外国語短編映画グランプリを受賞した。

 震災当時、CM製作会社に勤…

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