紙の「約束手形」が廃止になるの? 実際にどこまで…

新宅あゆみ
写真・図版
[PR]

いちからわかる

 アウルさん 政府が紙の「約束手形」の廃止(はいし)をめざすと聞いたけど。

 A 経済産業省が2026年をめどに使用をやめるよう、経済界に呼びかけているよ。今夏をめどに、廃止に向けた5カ年計画を作るよう、いろいろな業界に求めているんだ。

 ア そもそも「約束手形」ってどう使うの?

 A 製造業や建設業などの企業(きぎょう)同士の取引で、代金を後払(あとばら)いする際に使うものだ。たとえば、商品の代金を払うとき、現金の代わりに、代金の金額と支払期日を書きこんだ約束手形をわたす。受け取った企業は、期日になれば、手形に書きこまれた金額の現金を受け取ることができる。

 ア なぜ廃止するの?

 A 手形を現金にできるまでの期間が平均で約100日間と長いので、資金繰(しきんぐ)りが厳しい中小・零細(れいさい)企業の負担になっているからだ。紙だから、郵送や保管などに手間やお金がかかるという問題もあるんだ。

 ア 紙の手形が廃止されると、どうなるの?

 A 政府は現金振り込みのほか、インターネット経由でやりとりできる「電子手形」への切りかえを進めるよう訴(うった)えている。電子手形については、手数料を引き下げたり、支払い完了(かんりょう)までの期間を最短7営業日から3営業日に縮めたりして普及を後押しする予定だ。銀行などが手形を現金化する手形交換所(こうかんじょ)はいま全国に約180カ所あるけど、これは減ることになるね。

 ア 本当に手形はなくなるのかなあ?

 A 手形交換所ができた明治時代以来の商慣習だから、実際にどこまでなくせるかは分からないよ。経産省の調査では、手形を受け取る企業の6割が、取引先の要望で、手形を使っていると答えている。取引で立場が強い支払う側の企業の理解がどこまで進むかがかぎになるかもしれないね。(新宅あゆみ)