混乱のシリア、犠牲者38万人 「破壊と悪魔の10年」

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 中東の民主化運動アラブの春」がシリアに波及してから10年。市民たちのデモから内戦へと陥り、人口の半数以上が家を追われた。犠牲者が38万人を超す「今世紀最悪の人道危機」は続き、住民たちに元の暮らしへの光は見えないままだ。

 北西部アフリンの中心部にある市場。記者が2月に訪れると、小銃をかまえた治安部隊が人の出入りを警戒していた。「以前は行列ができる店だったが、警備が厳重すぎて客足は遠のいた。かといって、緩めればまた攻撃が起きる」。甘味屋を営むイブラヒム・ハリールさん(60)は嘆いた。

 アフリンは2018年、隣国トルコが軍事作戦に踏みきり、今はトルコが支援する反体制派が実効支配する。だが、周辺では敵対する少数民族クルド人の武装組織「人民防衛隊」(YPG)によるとみられる攻撃が相次ぎ、記者が現地入りする2日前にも自動車爆弾で子供4人を含む8人が死亡した。

「いっそロシアと戦えばいい…」

 「内戦ですべてがめちゃくちゃだ。どうやって生きていけばいいのか」。8人の子どもを抱える避難民のムハンマド・マンスールさん(33)は声を張り上げた。日雇いの荷役仕事で手にするのは日本円で月に5千円ほどだ。首都ダマスカス近郊の菓子屋で働いていたが、10年前の混乱で反体制派に加担。そのため、逮捕や拷問を恐れてアサド政権が制する故郷には戻れない。

 マンスールさんは、「いっそ…

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